見積書が2枚になった時点で、比べる相手は総額ではなくなる
見積書が1枚しかないときは、総額を見て高いか安いかを考えます。
2枚目が届いた瞬間に、その見方は使えなくなります。
同じ「カーポート工事」という1行が、片方は今ある土間を壊すところから始まり、もう片方は壊し終わった地面から始まる。
こういうことが普通に起きます。
総額の差が、使う部材や施工の差なのか、単にやる範囲の差なのかは、金額の欄をどれだけ見比べても出てきません。
比べられる状態というのは、2枚の紙が同じ範囲を指している状態のことです。
範囲が揃わないまま安い方を選ぶと、着工してから「それは含まれていません」という話が出ます。
これは不当な追加とはかぎらず、最初から範囲の外にあったものが、工事が始まって目に見えるようになっただけ、ということが多いです。
なので読む順番を逆にします。
金額の欄は最後に見る。
先に読むのは、工事の名前と、その行が何をどこまでやる行なのか。
ここだけです。
「一式」の行は、含まないものを聞くと輪郭が出る
外構の見積書には、必ず「一式」と書かれた行が出てきます。
数量の欄に1、単位の欄に式、単価は空欄で、右端に金額だけが入っている行です。
この書き方そのものは珍しくありません。
掘る、運ぶ、組む、片づける、といった細かい作業を全部行に立てると、紙に収まらなくなる工事があります。
ただ、複数の見積書を並べたときに差がいちばん潜んでいるのも、この行です。
ここで「この一式には何が入っていますか」と聞くと、返ってくる答えの細かさが会社ごとに変わります。
10個並べてくるところもあれば、大きく3つでまとめるところもあり、並び方が違えば結局また比べられません。
聞き方を裏返します。
「この見積もりに含まれていない工事はありますか」。
含まないものは数がかぎられているので、答えが短くなり、しかもどの会社に聞いてもだいたい同じ形で返ってきます。
入っているものを全部書き出してもらうより、この聞き方の方が早く終わります。
川口の外構で、見積書ごとに差が出やすい行
書き出す先を最初から知っておくと、返ってきた答えを整理しやすくなります。
差が出やすいのは、だいたい次の5つです。
- 今あるものを壊す作業と、壊したものを運んで捨てる作業
- 掘って出た土の行き先
- 電気を触るかどうか
- 資材を敷地に運び込む方法
- 諸経費の置き場所
壊す作業と捨てる作業は、別々の行に立つことがあります。
古いブロック塀や物置は、壊した時点では敷地の中に山として残っていて、そこから先が別の費用です。
片方の見積書に解体の行しか無いとき、処分が抜けているのか、その行に溶けているのかは、書いてある文字だけでは判断がつきません。
掘って出た土も同じです。
カーポートの柱もフェンスの基礎も、地面に穴を掘ります。
その土は敷地の中でならせることもあれば、外へ運び出す残土処分(掘って出た土を敷地の外へ持ち出して処分すること)になることもあります。
どちらになるかは敷地を見ないと決まりません。
電気は、照明の付いた門柱を建てるときに関わってきます。
当社の料金表では機能門柱に基礎と電気配線を含めていますが、他の見積書でも同じとはかぎらないので、配線が別行になっていないかを見ます。
運び込む方法は、川口の外構では見積書に効いてきます。
川口市は2011年10月11日に旧鳩ヶ谷市を編入して市域が南北に長く、駅前の分譲地と昔からの住宅地とで敷地の成り立ちが違います。
鳩ヶ谷の街道沿いのように前面道路の幅が一様でない地区、蕨市のように隣地との距離が数十センチしかない敷地、草加市に多い旗竿地や間口の狭い敷地では、トラックを横付けできるかどうかで手間が変わります。
この条件を見た上で書かれた見積書と、見ずに書かれた見積書は、後から差が出ます。
諸経費(現場の管理や運搬など、工事そのもの以外にかかる費用)は、最後に一行で立てる会社と、各工事の行に溶かし込む会社があります。
溶かしてある方は各行が高く見えるので、一行で立ててある見積書と並べると、行ごとの比較がずれます。
含まない工事を、紙1枚に書き出す
紙を1枚用意します。
パソコンでもいいのですが、3枚の見積書を横に置いて書き写す作業なので、紙の方が速いです。
まず左側の列に、いちばん行数の多い見積書から工事の名前を写します。
次に、他の見積書に同じ工事の行があるかを見て、無ければその欄を空けたままにします。
この空欄が、後で効いてきます。
そのあと、「一式」と書かれている行に印を付けます。
丸でも星でもかまいません。
印の付いた行が、これから聞く相手です。
最後に、右側に空の列をもう1本引きます。
ここが「含まれていない工事」を書く欄です。
今は空でいい。
埋めるのは次の段階です。
ここまでで、総額はまだ一度も見ていません。
それでも、A社にしか無い行が2つある、といったことは分かります。
その2行が本当に必要な工事なのか、それとも他社が別の方法で済ませているのかを、次に聞きます。
3社に、同じ文面で1つだけ聞く
送る文面を1つ作って、そのまま全部の会社に送ります。
文面を変えると、返ってくる答えの形も変わって、また比べられなくなるからです。
聞くのは「この見積もりに含まれていない工事があれば教えてください」の1問で足ります。
気になる行があるなら「◯◯の行に、壊したものの処分は入っていますか」を足すくらいにとどめます。
質問を増やすほど、返信が遅くなります。
返ってきた答えを、さきほど空けておいた右の列に書き写します。
ここまで来て、初めて総額の欄を見ます。
3社が挙げてきた「含まない工事」がだいたい同じなら、その総額はそのまま比べられます。
挙げてきたものが食い違うなら、食い違った部分が範囲の差です。
安い方の紙に、まだ書かれていない工事が残っている、という読み方になります。
当社にご相談いただく場合も、他社のお見積書をお持ちでしたら見せていただけると話が早く進みます。
現地調査とお見積もりは無料で、図面はなくても構いません。
敷地はこちらで測ります。
無料でお伺いできる範囲は現在整理中で、ご依頼の前に必ずお伝えします。
今日できるのは、紙を1枚出して、手元の見積書の行を写し、「一式」に印を付けるところまでです。
ここまでやっておくと、聞くべき相手が何行あるかがはっきりします。
この記事に関するよくあるご質問
- 見積書の「一式」と書かれた行は、何を聞けばいいですか
- 「この一式に何が入っていますか」ではなく、「この見積もりに含まれていない工事はありますか」と聞く方が答えが短く揃います。
含まれているものを全部並べてもらうと、並べ方の粒度が会社ごとに違って、結局比べられなくなることが多いです。 - 複数の見積書は、どこから読み比べればいいですか
- 総額の欄は最後にします。
先に読むのは工事の名前と、その行がどこまでやる行なのかです。
範囲が揃っていない紙どうしは、金額の差が工事の中身の差なのか、やる範囲の差なのかが分かりません。 - 他社の見積書を持っていっても相談できますか
- 見せていただけると話が早く進みます。
現地調査とお見積もりは無料で、図面はなくても構いません。
敷地はこちらで測ります。
無料でお伺いできる範囲は現在整理中で、ご依頼の前に必ずお伝えします。