コンクリートは乾いて固まるのではありません
コンクリートを打った翌日に見に行くと、表面が白っぽくなって、もう固まったように見えます。
ただ、このとき中で起きているのは乾燥ではありません。
セメントと水が反応して、石に近い組織へ変わっていく途中です。
現場ではこれを水和(すいわ)と呼びます。
セメントが水をつかんで硬くなる反応のことです。
反応は、水が抜けて終わるのではなく、水があるあいだ進みます。
だから打った直後に雨が当たっても固まります。
逆に、表面から水が早く抜けると反応が途中で止まり、狙った硬さまで届きません。
打ったあとの土間にシートがかぶせてあるのは、乾かすためではなく、水を逃がさないためです。
そして、この反応の速さは温度で変わります。
暖かければ速く、寒ければ遅い。
同じ配合のコンクリートを同じ厚みで打っても、8月と1月では固まる速さが違います。
ここが、冬の外構工事で日数が延びる入口になります。
冬に延びるのは「打った日から使えるまで」
外構の工事でコンクリートが出てくる場所は、思っているより多いです。
駐車場の土間、カーポートの柱を埋める基礎、フェンスを立てるブロックの下の基礎、ウッドデッキの束石、門柱の足元。
どれも地面の中か地面の上にコンクリートが入ります。
このうち、組み立てる作業そのものは1日で終わる規模のものもあります。
延びるのは、その前後です。
基礎を打ってから柱を立てられる硬さになるまで待つ期間、土間を打ってから車を乗せられるまで待つ期間。
この待ち時間が、気温が下がると長くなります。
ここで気をつけたいのが、作業をしている日数と、使えない日数は別だという点です。
職人が敷地にいる日が3日でも、その前後に待ち時間が付けば、車を停められない日はもっと長くなります。
冬に工事を頼むときは、作業日数ではなく「いつからいつまで使えないか」で聞いたほうが、予定を組みやすいかと思います。
表面が凍ると、あとから固まり直しません
低い気温でいちばん避けたいのは、固まる前のコンクリートが凍ることです。
中の水が凍って膨らむと、できかけていた組織が押し広げられます。
そうなると、気温が戻ってもその部分は元に戻りません。
表面が粉っぽく剥がれたり、細かいひびが入ったりします。
直すには削って打ち直すことになるので、打ち直す手間のほうが、待つ手間よりずっと大きくなります。
だから冬は、打ったあとに覆いをかけて温度と水分を保つ工程を省けません。
この工程を養生(ようじょう)と呼びます。
打ち終わってから必要な硬さが出るまで、現場が面倒を見ている期間のことです。
暖かい時期にも養生はしますが、冬はこれに凍結を避ける目的が加わるため、期間が長くなり、手当ても増えます。
養生の期間を縮めて次の工程に進むと、見た目は何も起きません。
問題が出るのは、車が乗ったあと、風が当たったあと、何年か経ったあとです。
待つ日数が見積もりに書かれているときは、その日数に意味があると見てもらえると、話が早く進みます。
川口の外構工事で、冬の現場が変えていること
川口市や蕨市、戸田市で冬に工事をするとき、現場の手順はいくつか変わります。
まず、コンクリートを打つ時間を午前に寄せます。
打ったあとに気温が上がっていく時間帯を使えるほうが、反応が進みやすいからです。
夕方に打つと、固まりきらないうちに夜の冷え込みに入ります。
朝いちばんに地面が凍っていれば、溶けるまで待ちます。
凍った地面の上に打つと、下が溶けたときに動いてしまいます。
この待ちで、作業の開始が午前のうちにずれる日が出ます。
雪や雨の予報が出ている日は、打つ日をずらします。
掘る作業や部材を組む作業は進められても、コンクリートを流す工程だけは日を選びます。
一日ずらすと、その後ろの工程も一日ずつ動きます。
同じ敷地の中でも差が出ます。
建物の北側や塀の陰になっていて、昼のあいだ日が当たらない場所は、日向の場所より固まりが遅くなります。
敷地の中で日が当たらない面があるかどうかは、現地調査のときに一緒に見ます。
使えないと困る日を、先に日付で決めておく
工期を決めるのは主に三つです。
部材をメーカーから取り寄せる期間、基礎のコンクリートが固まるまでの期間、そして天候。
冬はこのうち後ろの二つが同時に効きます。
つまり、暖かい時期に聞いた日数の感覚をそのまま冬の予定に当てはめると、足りなくなることが多いです。
逆から組み立てるとずれません。
まず「この日までに駐車場を使えるようにしたい」という日付を一つ決めます。
来客の予定、車の入れ替え、家族の行事など、動かせないものが基準になります。
次に、その日から手前に向かって、養生で使えない期間を置きます。
さらにその手前に、雪や雨で流れた日を吸収する予備の日を置きます。
いちばん手前に、部材を取り寄せる期間を置きます。
ここまで並べると、いつ相談を始めればいいかが自然に出てきます。
年末年始をはさむ場合は、材料の出荷や職人の動きが止まる期間が入ります。
この期間は養生の日数とは別に積み上がるので、1月に使いたいものは、年内に日程を押さえておくほうが読みやすくなります。
今日やるのは一つだけです。
カレンダーを開いて、車を停められないと困る日に印をつけてください。
週末だけなのか、毎朝なのか、特定の一日だけなのか。
それが分かっていれば、現地調査のときに「この日までに使えるようにしたい」と日付で渡せます。
日付で渡してもらえると、こちらは打つ日を後ろから決められます。
工事の内容が同じでも、どの日を外せないかで、段取りの組み方は変わります。
この記事に関するよくあるご質問
- 冬はコンクリートを打てないのですか
- 打てます。
ただし気温が下がると固まる反応が遅くなるため、打ってから上を歩けるまで、車を乗せられるまでの日数が暖かい時期より延びます。
打つ時間を午前に寄せる、打った面をシートや保温材で覆うといった手当てを現場で足しながら進めます。 - 冬だと工事は何日くらい延びますか
- 日数は工事の内容と敷地の条件で変わります。
工期を決めるのは主に部材をメーカーから取り寄せる期間、基礎のコンクリートが固まるまでの期間、そして天候の三つで、冬はこのうち後ろの二つが効きます。
何日かかるか、その間なにが使えなくなるかは、現地調査のあとお見積もりと一緒にお出しします。 - 霜が降りた朝でも作業は進みますか
- 打つ場所の地面が凍っている状態ではコンクリートを流しません。
凍った地面の上に打つと、溶けたあとに下が動いて不具合の元になります。
霜が消えるのを待って着手するため、午前の作業開始が遅れる日が出ます。
掘る作業や組み立ての作業は進められる場合があります。